少し古記事になりますが、ANAにA321が受領されました。受領されたのは10月31日。
A321に関しては2016年度中に合計4機を受領する予定です。
A320neoの納入で影が薄いA321neo。しかし、ベストセラーシリーズですので、ANAを支える機種であることには変わりません。
昨日、フラッグシップ機のことを記載しましたが小型機ではANAはエアバスを選択と、大型機とは少し様子が違うのかもしれません。
納入時のニュースリンクはこちら▼
ANA、A321ceo初号機が羽田到着 上級クラスに電動新シート
2つの後ろ文字にあるceo、neoって何??
よくneoだとかceoだとかA320ファミリーでは後ろに名前をつけています。
少し整理をしてみましょう。
- neo・・・New Engine Option
- ceo・・・Current Engine Option
以上が略称となります。ceoは従来型のエンジンを搭載した機種。わかりやすく言うと既存機種になります。既存機種と言っても騒音対策等が進化しており、コアエンジン(ガスタービンの部分)の後ろがシェブロンノズルになっているなど順当な進化を遂げています。
一方で、先日ANAに納入されたA320neoはギアード・ターボファン・エンジンを搭載しておりより優れた燃費性能を持つ機種となっています。
双方とも胴体は同じです。一つ誤解がありそうなのはceoは従来型といえ、エンジンがギアードターボで無いだけで順当な進化をしている点です。
ギアードターボファンエンジンの解説はwikipediaや他サイトが詳しいですが、少し記載します。ターボファンエンジンの機構の名称です。私達が乗っている飛行機のエンジンは単純に「ジェットエンジン」と読んでいますが、ジェットエンジンのうち、ターボファンエンジンと呼ばれるエンジンを使ってます。ジェットエンジン黎明期ではターボジェットエンジンという「ファンの付いていないエンジン」を使っていましたが、空気を噴出する速度が早すぎてとても効率の悪いものでした。このターボジェットエンジンの力を一部拝借して扇風機のような羽を前方に付け足したものが「ターボファンエンジン」と言うものになります。これにより、飛行機が進む速度とエンジンが排出する空気の速度が近くなり効率(=燃費)が改善しました。
今では戦闘機もターボファンエンジンになってます。
しかし、
しかし、
このファンとジェットエンジン部(ガスタービン部)はとてもワガママです。
- ファンちゃん:あまり速く回ってほしくない。だって速く回るとファンの外周部分が音速を超えてしまって衝撃波が生まれて痛い!(効率低下)
- ジェットちゃん:速く回りたい。速く回ったほうが空気を効率的に圧縮できて(ターボできて)効率いいんだ!
単純に言うと上記のような構図になります。私達の乗っている飛行機のエンジンのファン外周部は音速を超えます。衝撃波の発生分はロスです。
これのワガママな両者を仲介するためにあるのが「ギア」。ジェットエンジン部の高速な回転力を、ゆっくり、そして力強く変えてくれる役目を持ちます。
この役目によりファン、ジェットエンジンとも一番いい回転速度で回ることができて効率の高いエンジンになります。それが、「neo」です。そして、ケンカしっぱなしのエンジンは「ceo」になります。
エンジンの構想自体はかなり昔からあり、ターボ・プロップエンジンが上記の役目を持つエンジンと言えますが、ジェットエンジンとは同じ軸でない、つまりターボファンエンジンのダクトに収めることができていませんでした。技術的な話になると超難しくなるので割愛しますが、この「同じ軸」というのが難しいのです。
ギアをファンとガスタービンの同軸上に設けようとすると機構が複雑になります。ターボファンエンジンのような一分間に2万回転にも達するエンジンに適用しようとすると高度な技術が必要となります。
そのため、実現が最近になってしまいました。
また、このエンジン機構はMRJの低燃費技術のアピールポイントにもなっています。
ANAはA320ファミリーをどの程度発注しているのか?
少し話が逸れてしまいましたが、発注数を見てみます。
結構驚きな合計37機を発注してます。
内訳は
A321ceo:4機
A321neo:26機
A320neo:7機
となってます。A320neoは既に1機を受領し、国際線で運行予定。
残る機材は国内か国際なのかはわかりませんが、A321ceoが国内線中心で運行されていることから、国内線運行なのではないかと踏んでいます。
既存機種のリプレイスも兼ねるのでしょうか。
ANAはB737のエンジン改良機種であるB737-MAXを発注していません。
ANAが運行しているB737NGシリーズは、最も古い機種でも10年程度しか経っていないので、すぐにリプレイスされる可能性は低いと考えています。
しかし、これだけの数を発注していると「ANAの737シリーズって無くなっちゃうんじゃないの?」と心配してしまします。
個人的にはB737のデザインが好きです。カツオブシ的なあの感じ!
ただ、コンテナも入れられて、機内スペースも広いエアバスにシフトするのは仕方ないのかなぁ。
今回のA321ceoの導入は、neoへの繋ぎにすぎないのかもしれません。
しかし、着々とANA小型機はエアバス化に向かっているのでしょうね。
採用路線は??
最後に、採用路線です。
A321ceoが飛行する路線は羽田を中心として、
広島・宮崎・高松・関西・佐賀、小松・鹿児島・大分・岡山・熊本・徳島・高知、伊丹・米子・伊丹・松山
となっています(出典:エアライン・2017年1月号より)
多いですね!超高稼働率です。
ceoとはいえ、新機種であるので早く乗ってみたいです。
以上、エアバス機の記事でした♪
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